ボーカロイド(初音ミク)

ミュージシャンの今と昔

近年、CDのアニメソング系売り場にはボーカロイド楽曲のCDが並んだり、アニメ主題歌のタイアップアーティストとして動画サイト出身のミュージシャンが起用されるなど、ネットを中心的に活動するミュージシャンが盛んに登場してきています。

かつて素人による音楽活動と言えば、路上での楽器演奏が一般的でした。今でも路上ライブを行うアマチュアミュージシャンはもちろん居ますが、PCの普及した2000年代からはPCで楽曲を制作し、ネット上で発表すると言う活動形態が登場しました。そして2000年代後半からの動画サイトの隆盛により爆発的流行を迎え、現在ではプロデビューを果たすネット発ミュージシャンも珍しくなくなりつつあります。

ネット上のミュージシャンの多くは、DTM(デスクトップミュージック)と言う、PC上で楽曲を制作するソフトウェアで音楽を作っています。PCとDTMソフト普及以前の音楽活動は、作曲から演奏に至るまで楽器の使用が不可欠でしたが、今の音楽はPCで打ち込んで作曲し、演奏の技術が無くともコンピュータがサウンドを奏で、正確にビートを刻んでくれるため、楽器は必要なものでは無くなりました。

こうしたDTM音楽はネット上で発表されましたが、2000年代前半の頃はまだ一般層への浸透には至っておらず、楽曲制作者同士のための交流サイトや、利用者の多い掲示板上などしか公開の場がありませんでした。2000年代後半から出現した動画サイトは、アマチュアミュージシャンにとって大きな発表の場を得たことになります。そして動画サイトと共に人気を博し、現在のネット発ミュージシャン流行の大きなきっかけとなったのが、ボーカロイドの登場でした。

今やもはや一大ジャンルとなったボーカロイドは、音声合成技術を取り入れたDTMソフトと言った具合のものです。これにより合成音声によるものですが、歌手がいなくても歌唱曲の制作ができる様になりました。理論的には、PC一台とDTMソフトがあれば、一人でも作詞作曲ができるどころか、ギターやベース、ドラムなど様々なパートに加えボーカルも存在する、バントやクラシックの様な楽曲の制作が可能です。
今ミュージシャンを志す場合、これまで通り楽器演奏ができる仲間を集め、人数分の楽器をそろえて作曲し練習を重ねると言う道ももちろんあります。ですが、PCに向かい一人で楽曲を自主制作し、ネット上で発表すると言う選択肢がとれるようになったため、音楽活動を行う上でのハードルは大きく下がったと言えるでしょう。